
衛星夜間光データは、公的統計が存在しない、限られている、あるいは比較可能でない経済のパフォーマンスを評価するために、ますます利用されています。本稿では、光量に基づく新たな一人当たりGDPの指標を用いて、1998〜2012年の期間における東南アジア諸国連合(ASEAN)の274のサブナショナル地域にまたがる地域収束と空間的依存を研究します。具体的には、まずASEAN地域の文脈におけるこの新しい光量指標の有用性を評価します。結果は、(公的な)一人当たりGDPの差のほぼ60パーセントが、この光量に基づくGDP指標によって予測できることを示します。次に、地域GDPを予測するうえでの潜在的な有用性を踏まえ、ASEAN全域にわたる地域格差の時空間動態を評価します。結果は、全体的(平均的)には地域収束の過程が存在するものの、ほとんどの国の国内では地域格差が有意に縮小していないことを示します。空間的依存のパターンを評価すると、時間とともに空間的依存が高まっていることと、複数の国境にまたがって位置する安定した空間クラスター(ホットスポットとコールドスポット)が見出されます。これらの結果を総合すると、ASEAN共同体の統合過程について、新たでより細分化された視点が得られます。