
本稿は、南米における経済的・社会的格差の推移を研究します。新たな多国間サブナショナル・データセットを活用し、151のサブナショナル地域における一人当たり国民総所得(GNI)と人間開発指数(HDI)の1990〜2018年の期間にわたる推移を評価します。とりわけ、地域のダイナミクスを2つの空間的収束モデルのレンズを通して評価します。第一のモデルは空間的依存性の役割を扱います。結果は、GNIとHDIの双方について、全体として地域収束の過程が存在することを示しています。さらに、空間的依存性はこの過程において重要な役割を果たします。空間誤差モデルの定式化は、空間的依存性が一部の10年間では収束速度を加速させる一方で、他の10年間では減速させることを示唆しています。第二のモデルは空間的異質性の役割を扱います。結果は、GNIとHDIの双方について、収束速度が空間的・時間的に大きく異質であることを示しています。さらに、経済的・社会的格差は、収束傾向と発散傾向の双方を示す多国間の空間クラスターによって特徴づけられます。これらの結果を総合すると、南米における経済的・社会的不平等のダイナミクスを評価する際に、空間的依存性と異質性を考慮することの重要性が強調されます。