
経済活動のサブナショナルな指標は、各国内における持続可能な開発に向けた進捗を監視するうえで不可欠です。衛星による夜間光データは、地域別に細分化されたデータが通常入手できない、または信頼性に乏しい開発途上国において、地域の経済活動を監視するための有用な代理指標です。本稿では、2000年から2020年の期間を網羅する夜間光に関する新たなデータセットを用いて、フィリピンの州間における地域不平等の変遷を研究します。具体的には、まず輝度に基づく不平等指数を構築し、フィリピンにおける地域不平等の変遷を記録します。結果は、平均としては州間の地域不平等が縮小してきたことを示しています。次に、非線形動学的因子モデルを通して、すべての州間の不平等が最終的に共通の長期均衡へと収束するという仮説を検証します。私たちはこの仮説を棄却し、平均を超えて見ると、州レベルの不平等の動学が複数の局所均衡によって特徴づけられることを見出します。とりわけ、大きく分離する傾向を持つ2つの収束クラブを特定します。私たちは、地域不平等の縮小がフィリピンにとって依然として中心的な課題であると論じて結論とします。この点において、夜間光データとクラブ収束分析は、地域開発の監視とモデル化の双方にとって有用であることが示される可能性があります。